はじめに
『Tarnished Edition』『Tarnished Pack』で追加された侵入NPC「騎士レオティエル」。赤い布を掲げて舞うように戦う姿は、見た目だけでもかなりのインパクトがありました。
ただ、私がいちばん驚いたのは戦闘中ではなく、倒したあとに装備の説明文を読んだときです。

戦っている間、私はレオティエルを「男」だと思い込んでいました。ところが説明文には、はっきり「彼女」と書かれていたのです。

まりたん
「彼女」ってことは「女騎士」だったの~!?
なぜ私は男性だと感じたのか。その理由をたどっていくと、ジェーレンと『ダークソウル』シリーズのルカティエルにつながる手がかりが見えてきました。今回は、ゲーム内テキストで確認できる事実と、そこから浮かぶ考察を分けて書いていきます。
騎士レオティエルとは何者か
レオティエルは、ケイリッドで侵入してくる女性の騎士(NPC)です。
侵入されるのは、祝福「星砕きのラダーン」から北に進んだところです。撃破すると、大剣を含む装備一式を入手できます。

入手できるのは次のとおりです。
- レオティエルの帽子
- レオティエルの鎧
- レオティエルの大剣(固有戦技「ムレータ」付き)
この装備の説明文が、彼女の人物像を知るほぼ唯一の手がかりになります。
装備のテキストで確認できる事実
まず、考察の土台になる説明文を整理します。
鎧
“特徴的な大きな肩当てが 華麗な動きを、勇ましく際立てる それは、彼女の奇矯であった”
帽子
“鍔の尖った典礼用の帽子に仮面を組み合わせたもの…彼女は、ジェーレンを師父と仰ぎ その仮面に厳たる翁を象ったという”
大剣
“かつて正統の騎士が振るったとされ その剣技は、高い技量を要求する”
戦技「ムレータ」
“赤布を前方に構え、敵の攻撃を誘う戦技 通常攻撃および強攻撃で華麗に身をかわし攻勢に転じる”

ムレータ(Muleta)とは、闘牛の最後の場面で闘牛士が使う、赤いフランネル製の布とそれを支える棒のこと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ここから分かることは、大きく3つです。
- レオティエルは女性であること
- ジェーレンを「師父」と仰いでいたこと
- 「正統の騎士」の剣技を使い、装いと戦い方は「奇矯」であること

まりたん
奇矯・・・?ってなに?
奇矯(ききょう)とは、言動や振る舞いが常識から外れていて、普通の人とは大きく異なっているさまを意味する言葉だよ(辞書調べ)

とりさん
この3点を手がかりに、ここから先は私の考察です。
「彼女」だと気づけなかった理由は、仮面にある
私が男性だと思い込んだ理由は、おそらく仮面です。帽子の説明にあるとおり、彼女の仮面は「厳たる翁」、つまり威厳のある老人の顔をしています。

顔が老人の仮面で覆われていれば、戦闘中に性別を判断するのは難しいものです。彼女が女性だと分かるのは、鎧と帽子の説明文にある「彼女」という言葉だけ。テキストを読まなければ気づけない作りになっています。
ここまで手がかりが少ないのは、偶然ではなく意図された演出なのかもしれません。というのも、これとよく似た構図を、私たちはすでにフロムゲーの過去作品で見ているからです。
ルカティエルの面影
『ダークソウル2』に登場したミラのルカティエルは、ミラの正統騎士に選ばれた女騎士でした。そして『ダークソウル3』には、彼女の名を冠した「ルカティエルのマスク」が登場します。
その説明文は、次のような内容です。
- 典礼用の帽子に取り付けられた仮面である
- かつてある亡者がこれを付けて戦い、自らを忘れるときに、友にその名の記憶を願った
- 故に、翁の仮面は、しかし女の名で呼ばれている
レオティエルの装備と並べると、重なる点が多いことに気づきます。
| 対象 | ルカティエル(ダークソウル) | レオティエル(エルデンリング) |
|---|---|---|
| 帽子 | 典礼用の帽子 | 鍔の尖った典礼用の帽子 |
| 仮面 | 翁の仮面 | 厳たる翁を象った仮面 |
| 持ち主 | 女の名を持つ者 | 女性 |
| 剣 | 正統の騎士の剣 | 正統の騎士が振るったとされる大剣 |
| 名前 | ルカティエル | レオティエル |
公式に明言はされていないのですが、装備のデザインも名前も似ているので、オマージュなのかな?と思いました。
ただ、単なる意匠の借用だけではない気がします。ダークソウル3のマスクは、翁の仮面なのに女の名で呼ばれていました。エルデンリングでは、翁の仮面を被る本人が女性です。同じ「翁の仮面と女」という組み合わせを、別の側面から見せているように読めます。
「奇矯」が結ぶ、ジェーレンとの縁
ここで、師父とされるジェーレンに目を向けます。

ジェーレンは、赤獅子城でラダーン祭りを開く城主で、「魔女狩り」の異名を持つ人物です。彼の装備は「奇矯騎士」シリーズと呼ばれ、胴鎧の説明には次のような趣旨が書かれています。
- 放浪を好み、カーリア王家の客人として過ごした
- その後、将軍ラダーンの客将となった
- 根無し草だったが、律儀にも約束に縛られていった
注目したいのは、レオティエルの鎧にも「彼女の奇矯であった」とあることです。同じ「奇矯」という語が、師と弟子の装備に使われています。
ここからは私の考察ですが、レオティエルは師父ジェーレンの「奇矯」を受け継いだ弟子ではないでしょうか。華やかで型破りな装いや戦い方は、根無し草の師の生き方を映したものと読めます。
正統と奇矯。ムレータが語るもの
彼女の大剣は「正統の騎士」の剣技を継ぐものですが、戦技は「ムレータ」(闘牛士の赤布)です。

赤布で相手を誘い、かわしてから斬る。この戦い方は、決闘を儀式や見世物のように見せてしまうネタ発想にも見えます。
つまりレオティエルは、次のような二面性を持つ人物と読めます。
- 剣は正統:騎士としての確かな技量
- 装いと戦い方は奇矯:師から受け継いだ型破りさ
「奇矯」は本来、変わり者という意味を含む言葉です。ただ、彼女の説明文では、肩当てが動きを「勇ましく際立てる」とあり、悪い意味では使われていません。どこか誇らしげに語られているのが印象的です。
残された謎:なぜ、ラダーンの地に現れたのか
最後に、まだ分からない点を挙げておきます。
- 師父ジェーレンとの関係が、どのようなものだったのか
- なぜ、ラダーンにまつわる地に現れたのか
ジェーレンは、ラダーンの客将として約束に縛られていった人物でした。その弟子であるレオティエルが、ラダーンの縁ある地に現れたことには、何か意味があるのかもしれません。ただし、これは完全に想像の域を出ない話です。
感想:思い込みが覆された、いい演出
正直に言うと、戦っていた時の私は、レオティエルを「変わった格好の男騎士」としか思っていませんでした。

まりたん
闘牛士といえば男、という先入観があったかも・・・
装備を読んで「彼女」だと知った瞬間、印象がガラッと変わりました。老人の仮面の下にいたのは、師の顔を被って戦う女騎士。そう分かると、ネタにみえていた赤い布を掲げる立ち姿も、かっこいいなと思ったり。
戦って終わりではなく、テキストを読むことで人物像が立ち上がってくる。これもまた、フロム作品らしい味わいだなぁ~と感じました。
おわりに
レオティエルは、テキストが少ないNPCです。それでも、「彼女」「師父」「奇矯」「正統」「翁の仮面」といった言葉をたどると、ジェーレンとルカティエルという2つの縁が見えてきました。
まだ語られていない部分も多く、今後の情報や、新たな発見があれば追記していきたいと思います。
ではまた〜

